2019年6月25日火曜日

僕の実母、絹子

最近は母さんのことを絹子と呼んでいます。最初のころ照れ臭かったのは、やはり母さんだから、という認識が強かったからだと思います。今は、母さんというより僕の女です。

2LDKの賃貸マンションで今は二人で暮らしていて、絹子は夕方から家庭教師の仕事をしています。僕は受験に失敗して浪人中だったりして、母さんは僕の家庭教師もしてくれるんですが、もよおしてくると、ついついベッドに押し倒してしまいます。こんなことだから受験にも失敗しちゃったんでしょうけど。絹子も母親というか家庭教師の威厳を保っているのは最初だけです。

絹子という名前のとおり、母さんの肌は真っ白です。色素が薄いのか乳輪と割れ目も桜色です。四十二歳なのに若々しく、三十代前半でも通用すると思います。離婚する前に住んでいた家の近所では評判の美人でした。高校生だった奴らが母さんを襲ったのもわからないわけでもないというか、そういう問題ではないのですが、おかげ様で今の僕たちの生活があるのは間違いないです。人生塞翁が馬と言えるのも僕たちが立ち直っている証拠でもあります。